火力発電所、原子力発電所、水力発電所などで発電された電力は、送電線や配線経路を通って消費者のもとに送られます。電力会社より6600Vを超える電圧にて受電する電気設備が自家用電気工作物を経由して、100Vと200Vまで電圧を下げて電力を使用するのです。
電気設備に関する技術基準 (電圧の種類等) 第二条」にて高圧電力は直流で750ボルト超7,000V以下、交流で600V超7,000V以下のものと定められています。
それでは、この自家用電気工作物で受電する高圧電線について見ていきましょう。
高圧電線
〔1〕電線の種類としては絶縁電線、ケーブル又は高圧機器内配線用電線とします。ただし、高圧母線には銅帯、銅棒、銅パイプ等の裸導体も使用できます。引下絶縁電線には、高圧引下用絶縁電線(以下PD線)又は高圧機器内配線用電線を使用することとなります。
〔2〕電線の太さについて高圧母線の太さは、主遮断装置(CB及びPF)の種類と短絡電流により選定し、かつ負荷容量を考慮のうえ決定します。
〔3〕分岐線の太さについて高圧母線から分岐して、変圧器・計器用変圧器・避雷器・高圧進相コンデンサ等の機器に至る高圧機器内配線用電線にあっては, 14 ㎟以上の電線を使用します。
ただし、これらの電線は短絡するおそれのないものとします。
〔4〕配線工事高圧屋内配線,がいし引き工事又はケーブル工事のいずれかになります。
〔5〕高圧ケーブルの耐圧試験電圧(35kV 以下9,000V、35kV 超えるもの17,000V)
接地
〔1〕接地工事 は機械器具の鉄台、金属製外箱等の接地工事、 300 V以下は D種, 300Vを超える低圧用は C種,高圧用は A種接地工事を施します。また避雷器はA種接地工事を施します。
変圧器の低圧側中性線の接地工事は, B種接地工事を施し、高圧計器用変成器の接地工事は二次側電路にD種接地工事を施すこと.
〔2〕接地線の引張強さと太さ(解釈第 20条,内規 1350-3, 1350 5)
〔3〕接地線太さの算定基準は接地線の温度上昇銅線に短時間電流が流れた場合の温度上昇について、一般に次の式で与えられる.
銅線の温度上昇℃=0.008(電流A / 銅線の断面積m㎡)二乗 × 通電時間S
〔4〕接地線の電線 JIS C 0602 (保護接地線及び接地側電線の色別並びに端子記号)に規定する緑/黄(やむをえない場合は緑)色のものを使用するとと.ただし,接地線の埋設部分には裸電線又は裸銅帯を使用することができる.
まとめ
もしも需要家の自家用電気工作物内にて高圧ケーブルの短絡が起こってしまうとPASの 短絡ではロックするだけなので遮断はできません。(電流を遮断する能力はありません) したがって電力側の遮断器で遮断することになってしまいます。
事前に適切な知識を身につけて、自分の身を守れるようにしましょう。
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