電力系統の停電の回避を目的として非常用予備発電装置を使用する場合の電気事業法上の取扱い及び保安管理の徹底について、平成23年3月11日に発災した東日本大震災の影響により、電力需給について、政府から数値目標つきの節電要請が出されている場合を対象に「電力系統の停電の回避を目的として非常用予備発電装置を使用する場合の電気事業法上の取扱い及び保安管理の徹底について(通知)」等が発出されました。
災害発生時、非常用の照明やスプリンクラーなどはすべて電力で駆動しており、非常用発電設備が不可欠です。
非常用発電機設備は火災予防条例及び保守点検上次に挙げる隔離距離を保有する必要があります。また非常用発電機の燃料タンク及びその他の機器は堅固に床、壁、支柱等に固定しなければいけません。
それでは、非常用発電機設備を設置できる発電機室の条件を見ていきましょう。
発電設備の位置
発電設備は,危険を防ぐため不燃材料で防火的に区画された独立の室,または固いにより区画された場所に設置すること.ビル等の地下に設置する場合は,特に排気管の曲りが多く,また長くならないよう発電機室の位置を選ぶこと.
発電機室の大きさ
発電機室の大きさは機器の搬入据付,及び分解・点検手入れが容易にでき,かつ運転操作が安全に行えるような広さ及び高さがあること
発電機室の明るさ
部谷の明るさ配電盤計器面及び作業面で必要な照度等については,受電室の明るさに準ずる.
発電機室の換気
発電機室内の換気は,機関燃焼用の空気の補給,室温上昇の抑制,潤滑油,ミストガス及び排気ガス等の清浄化並びに運転員の保健上から十分な装置が必要である.換気方法は原則として強制換気とし,十分な能力があること.
発電機室の構造と位置
騒音等により,民家その他に影響を及ぼさないよう室の構造,室の位置を決定すること.
発電機室の強度
発電機を据え付ける基礎は,機関の運転に耐える強度を有していること.機関の運転に伴う振動により,他の工作物及び近隣に障害を与えないよう防振台等を考慮すること.
発電機室の排気
発電機室の排気排気は,煙突又は排気管により直接外気に排出する構造とすること.排気管消音器等,運転中高温となるものは次により施設すること.
発電機室の燃料貯蔵
設備燃料貯蔵設備は,発電機設備の出力に応じて十分な容量を有すること.また,機関に付属する燃料小出槽を含めて次により施設するこ と.
燃料タンクは,堅ろうでかつ燃料補給等の取扱いが容易な構造となっていること.密閉式の燃料タンクには,ガス抜きを設けること.
燃料小出槽と内燃機関(高熱部)との離隔距離は, 2m以上とすること.ただし,予熱や加熱を必要としない燃料(軽油・灯油)を使用する発電設備
まとめ
緊急避難場所の防災拠点や病院等の自家用電気工作物において、停電時に使用する非常用予備発電装置の重要性が一層増しております。非常用予備発電装置を設置しているにもかかわらず、被災時に動作しなかったという事が無いように、確実な装置選定と動作確認を含めた定期的な点検を保安規程に基づき適切に実施し、自然災害の備えに万全を期すことが重要です。
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