実に9割以上の現場班長らが、現場での安全指示が正確に伝わったか、不安に感じています。それは不適切な指示が原因で、重篤な災害が多発しているのです。
職長が指示をうまく伝えるには、そして作業員が指示をしっかり守るにはどうすれば良いのか、内容をご紹介していきます。
現場打合せ
現場打合せ (Tool Box Meeting : 通称TBM ) は、施主側を代表する主任技術者または管理技術者と工事業者側を代表する現場代理人が作業者全員に、施工上の注意事項を説明する重要な会議であり、決して省いてはいけません。
時間が無くてTBMを省略することや、TBMの中で作業者に危険箇所の説明を怠ったために、死亡事故の責任を問われ、施主や現場代理人が“業務上過失致死罪”で有罪となる例があります。
TBMは、作業者の氏名,工事資格の確認から始めて、作業内容の説明とともに、危険箇所の指差し確認、危険表示、施錠、防護箇所等を作業者と同伴して行います。
作業者への伝え方
主任技術者および現場代理人からの一方的な説明だけでは伝わらないのである。
作業者が口には出さなくても、心中で反発していることを読み取ることも大切である。
「不満もあろうが発注者の厳命で、これしか停電時間がとれない。私の立場もわか ってくれ」主任技術者が、こう言ってしまってはブチ壊しになってしまう。
発注者の顔色よりも 、作業者の安全と完壁な仕上りを追求することが主任技術者の責務である。作業者の質問、疑問、不満を出させ、意見を尊重して改めるべきところを改めなくては、TBMとはいえない。作業者が納得して、指示事項を守るような運営をしなかったために、T BMが仇となって、事故を引き起こす例もある 。
工具・防具の点検
作業内容の説明とともに、工具、防具の点検もTBMの重要な要素である。
特に注意すべき点は、電動工具類の接地線が接続端子部で外れていないか、移動用発電機および コードリールに、漏電遮断器が取付けられているか、 絶縁ペンチ等の絶縁被覆が破れていないか点検して問題のあるエ具は使用禁止としなければならない。
作業員の健康管理
現在、作業員の健康管理は作業員が日頃から自主的に取り組むことが主流となっており、管理者が毎日チェックしているわけではないため、多くの現場では作業員の健康管理までは管理が行き渡っていないのが現状です。
そのような現状を解決するためには、まずは安全衛生委員会などの自主確認組織を設置して現場打合せの際に確認を行うことが大切です。
チェックするべきポイントは、作業で使用する設備や作業方法、照明や空調設備、騒音や振動の問題、保護具や救急用具は整備具合、衛生上有害な物質の使用頻度、健康面で異常のある作業員の確認、などが挙げられます。問題点があれば、その都度改善していきましょう。
また、作業員に対する衛生教育や定期的なストレスチェック、健康診断、作業員の健康相談窓口の設置などを通して、作業員の健康状態をより管理しやすくすることが大切です。
まとめ
作業員が遠慮なく意見交換や提案を行うことができ、本音が言える現場環境づくりが重要です。常日頃から現場改善活動のPDCAを廻し、年齢や経験に依存せずにオープンに意見交換する場を醸成します
また作業員のモチベーション向上のための作業目的やそれらを積み上げていった際に目指すビジョンの明確化・明文化をし、日常的にその内容を復唱すると共に、どの程度作業目的を遵守した活動が出来ているか、振り返りと次の期間の重点取組内容を再設定する機会を作ることです。
働く人の安全を守るために有用な情報を掲載し、職場の安全活動を応援します。
働く人、家族、企業が元気になる現場を創りましょう。
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