【電気事故事例】定期点検作業時の感電事故(電気主任技術者 必見)

事故防止
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事故事例の目的としては、事故の再発防止・未然防止を目的として、現場で発生した事故、ヒヤリ・ハット等の情報を収集・活用し、対策を講じることができます。
ハインリッヒの法則では、1件の重大な事故・災害の背後には29の軽微な事故があり、その背景には「ヒヤリ」としたり「ハット」したりするような300の出来事が存在するといわれています。
大事故は、偶発的に起こるものではありません。日常の「ヒヤリとする体験」や「ハッとする出来事」は、いずれ大きな事故につながる前兆であることを理解し、このような体験や出来事があった場合はそのままにせず、何らかの対策を講じておく必要があります。
また、日頃からヒヤリ・ハット事例を記録し、事例を出し合い共有することもリスクマネジメントの観点からは大切なことです。
作業者が、現場の安全を確保するためには、どのような事故が発生しているかを知ることが大切で継続的に情報収集することが重要です。

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事故の状況

事故の当日,管理技術者は,自家用電気工作 物の定期点検を実施するため,補助作業者 2名 (電気工事店社員)とで,作業に当たることになった.
管理技術者は,受変電室内の OCB(油遮断器)と区分用断路器を開放し工事用接地を取付け て,補助作業者 2名に,変電室内の充電部分を説明した. 1時より,定期点検を開始し,管理技術者(以下, A と す る . ) と 補 助 作 業 員 1 名 ( 以 下 , B と する.)で絶縁抵抗を測定,他の補助作業員(以 下, C とする.)は接地抵抗を測定した.

AとBは過電流継電器と地絡継 電器の試験を実施, Cは配線接続部の点検,変圧 器の絶縁油の採取を行った.

以上の点検が終了して, Bは継電 器試験の後片付けを, Cは OCB内の油採取の 準備を行った.

この時, 3人の位置は第 1図のとおりである. A は,高圧受電盤のリレータップを整定後,金網扉の方へ移動中.Bは, OCBタンク下部に受台用の空缶を置く作業を実施中.

 

Cは, Bの作業を手伝うため,左手で OCB横のパイプフレームを握り,中腰になった時,充 電部である PCT(計器用変成器)負荷側の リー ド線ボルトコネクタ部分に背中が触れて感電した. Cが叫びながら伸ばした右手が Bに触れ,Bも感電し, 2人とも転倒した.
電力会社の変電所の DGR(地絡方向継電器)が動作,停電となる. 12時 32分,配電線の再送電成功.

A は救急車の手配後,自力で変電室入口まで はい出してきた Cを助け出し,続いて Bを変電 室入口近くに移動したが, Bは意識不明であり, 収容された病院で死亡した.

 

電力会社の係員が到着して, 当自家用変電室の隣の借室変電室内の 断路器が開放された.

そして所轄の警察署係官による現場検 証が始まった.

事故現場の片付け後,事故発生部 のボルトコネクタ部分にテープを重ね巻きし 、借室内断路器を投入,つづい て自家用変電室内の断路器, OCBを投入して, 復旧した.

事故の原因

変電室内の作業を行う場合には,電力会社に 依頼して,自家用分岐用の区分開閉器を開放し て行 うべきところ,停電日時の決定が試験当日 の 4日前であったため,手続きを怠った.

また,被害者 2名とも,経験年数が多く,当 自家用施設での試験手伝いも十数回実施してお り「慣れ」もあった.

さらに,被害者 2名とも,無帽,運動靴,素 手など.防具も不備であった.

事故再発の防止対策

今後,自家用変電室内で工事および定期試験等を行う場合は,東京電力(株)に依頼して東京 電力側の区分開閉器を開放して.自家用変電室 内を全停電して安全を確認のうえ,作業をすることとした.

まとめ

作業者が現場で発生した事故情報、ヒヤリ・ハット情報を適切に収集し、組織的に事故防止のための対策を推進した場合、事故件数の減少や利用者からの信頼・評判の向上の効果が期待できます。
使用する設備・工具については、正しい使用方法と内在する危険性について理解させ、事故が起きないよう常に注意して使用するよう情報を共有しましょう。

働く人の安全を守るために有用な情報を掲載し、職場の安全活動を応援します。
働く人、家族、企業が元気になる現場を創りましょう。

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