電気は,その利便性の良いことことなどから,照明,電動機とその応用範囲を広げ続け,現代 の社会生活,産業活動に幅広く,深く浸透し,利用されている 。
関係者の努力によって,比較的低廉で,かつ,水と空気と同じよ うに供給され続けてきたことから,今日では一時でも途切れることの 許されない社会構造となっており,社会の存在となっている。発生してすぐに消費するので,多量に貯蔵することが難しいことから,事故などによる停電の情報化社会に与える影響は,極めて大きい.
一方,電気は,その取り扱いを一歩誤ると,感電死傷,漏電火災などの事故を起こす危険性をはらんでいる.
したがって,低廉で質の良い電気が,これからも継続して供給され続けるように,電気事業の健全な発達を図ることはもとより,電気を 供給する設備,電気を使用する設備,それぞれの電気工作物の信頼性 及び安全性が常に保たれ,供給支障及び人身災害などの事故を未然に 防ぐ管理が行われていなければなりません。
ここでは、このような電気工作物の区分や規制に関する手続きについて説明していきます。
電気事業用電気工作物とは
電 気 事 業 用 電 気 工 作 物 と は , 一 般 の 盟 要 に 応 じ 電 気 を 供 給 す る ための設備 (一般電気事業の用に供する設備),一般の需要に応じ電気を供給 する者にその電気を供給するための設備(卸電気事業の用に供する設備),及 び特定の供給地点におけ る需要に応じ電気を供給す るための設備 (特 定電 気 事業の用 に供する設備)と いうことにな ります.
電気事業用電気工作物には,一連の水力,火力及び原子力等の発電所,送電線,変電所,配電線及び引込線という電気の発生か ら需要家に至るまでの設備が該当します.
ただ し,電気事業者の所有する設備であっても 電気を供給するための設備でない病院とか体育館などの設備は電気事業用電気工作物には含まれません.
電気工作物から除かれる工作物(電気事業法施行令第1条)
- 鉄道営業法、軌道法若しくは鉄道事業法が適用され若しくは準用される車両若しくは搬器、船舶安全法が適用される船舶若しくは海上自衛隊の使用する船舶又は道路運送車両法第二条第二項に規定する自動車に設置される工作物であつて、これらの車両、搬器、船舶及び自動車以外の場所に設置される電気的設備に電気を供給するためのもの以外のもの
- 航空法第二条第一項に規定する航空機に設置される工作物
- 電圧30V未満の電気的設備であつて、電圧30V以上の電気的設備と電気的に接続されていないもの
まとめ
電気工作物とは発電、変電、送電、配電又は電気の使用のために設置する工作物(機械、器具、ダム、水路、貯水池、電線路等)をいい、事業用電気工作物、一般用電気工作物があります。
「事業用電気工作物」 には,「一般用電気工作物」以外の電気工作物であって「電 気 事 業 用 電 気 工 作 物 」 以 外 の も の も 含 ま れ , 改 正 電 気 事 業 法 に お い て , こ れを「自家用電気工作物」 と定義して いますが,改正前の電気事業法と異なり, この「自家用電気工作物」 に係わる保安規制の内容は,基本的に「電気事業用電 気 工 作 物 」 の そ れ と 同 じ と し , 両 者 と も 同 じ 「事 業 用 電 気 工 作 物 」 と い う わ くに入れ保安の規制を行っています.
なお,先に述べた卸供給事業者の卸供給事業の用に供するための設備は,卸 供給事業者が電気事業者に該当しないので,自家用電気工作物となり ます.
自家用電気工作物には, このほか電気事業者か ら電気の供給を受けて電気 を使用するための設備であって一般用電気工作物以外のもの,自家消費のみ の自家用発電設備,自家消費のほかその余剰電力を特定の需要家に供給する 自家用発電設備,及び一般の需要に応じ電気を供給す る者に ,その電気 を供給 する 自家用発電設備 (卸供給事業者の卸供給事業の用に供する設備以外の も の) 並 びに ,その 自家発電設備から発生した 電気を変成するための設備,送電 するための設備,使用するための設備等も含まれます.
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