【電気事故事例】活線作業で発生した感電事故(電気主任技術者 必見)

事故防止
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事故事例の目的としては、事故の再発防止・未然防止を目的として、現場で発生した事故、ヒヤリ・ハット等の情報を収集・活用し、対策を講じることができます。

ハインリッヒの法則では、1件の重大な事故・災害の背後には29の軽微な事故があり、その背景には「ヒヤリ」としたり「ハット」したりするような300の出来事が存在するといわれています。

大事故は、偶発的に起こるものではありません。日常の「ヒヤリとする体験」や「ハッとする出来事」は、いずれ大きな事故につながる前兆であることを理解し、このような体験や出来事があった場合はそのままにせず、何らかの対策を講じておく必要があります。

また、日頃からヒヤリ・ハット事例を記録し、事例を出し合い共有することもリスクマネジメントの観点からは大切なことです。

作業者が、現場の安全を確保するためには、どのような事故が発生しているかを知ることが大切で継続的に情報収集することが重要です。

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事故の状況

 

事務室内の模様替をするため,間仕切壁に取付けてあるマノスターゲージ(差圧計)を内蔵 したマノスター盤,およびサーモ スタットの移設工事を,電気工事会社に発注し た.

8月 4日,被害者は,マノスター盤を撤去し, 切断した制御用ケーブルにテーピングを行い, 天井内に格納した.

8 月 28 日 9 時 20 分 , 被 害 者 は , 同 僚 2 人 と 事 業場に行き,工事責任者に当日の作業内容,安 全指示を受け作業現場へ向かった.

被害者と作業者 A は,前回取外してあったマ

ノスター盤の取付けに着手した.また,作業者

Bは,サーモスタットの移設工事に着手した. 12時 20分,作業者 Bは,サーモスタットの 移設工事を中断し,食事に行くことにして被害 者と作業者 Aの所に行き,午前中の作業を終了

した.

14時 30分,作業者 Aは; マノスターゲージ の移設工事に,作業者 Bは,午前中に引続きサ ーモスタットの移設工事にそれぞれ向かった.

被害者は,制御用ケーブルを引込み,切断し たケーブルの結線を行うため,天井内に入って いった.

17時 20分,作業者 A,Bは作業を終了して休 憩していた.

しばらく待っていたが,被害者が戻ってこな いので,天井内で作業を行っていると思い,作 業者 A, Bは手伝いに天井内に入っていった.

すると被害者は,天井内で感電し,仰向けに倒れていた.被害者 A, Bは,直ちに,事業場の電気担当者の所へ行き,救急車の要請をした.
17 時 40 分 , 救 急 車 が 到 着 し , 被 害 者 を 天 井 からおろし病院へ移送した.

18時 04分,病院に到着したが,被害者の死亡が確認された.

事故の原因

被害者は,制御用ケープルの結線を行う前に検電を行わずに作業をしたと思われる

また活線作業を行うのに絶縁手袋をしていなかったことと単独作業のため、感電後の応急手当が出来なかったことが原因と思われます。

事故再発の防止対策

(1) 活線作業を行う場合は,必ず 2人以上の作業者で行うようにする.また,作業者が 1人になる場合は,監督者を張りつけて作業を行うこととした.

(2) 制御回路電圧が 20Vであるが,順次48Vに変更していくこととした.

(3) 社 内 で の 安 全 教 育 に つ い て も , 請 負 業者を参加させ,事故防止に努めることとした. . この事故例のように,低圧の活線作業を安易な気持ちで行うと,思わぬ事故となる場合が少なくない。

作業者はいかに単純な作業であっても,危険 を予知し,事前に十分な打合せを行い,かつ単 独作業を避けるようにして,事故の未然防止に努める必要がある.

まとめ

作業者が現場で発生した事故情報、ヒヤリ・ハット情報を適切に収集し、組織的に事故防止のための対策を推進した場合、事故件数の減少や利用者からの信頼・評判の向上の効果が期待できます。

使用する設備・工具については、正しい使用方法と内在する危険性について理解させ、事故が起きないよう常に注意して使用するよう情報を共有しましょう。

働く人の安全を守るために有用な情報を掲載し、職場の安全活動を応援します。

働く人、家族、企業が元気になる現場を創りましょう。

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