【電気事故事例】点検終了後の復電時に発生した事故(電気主任技術者 必見)

事故防止
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事故事例の目的としては、事故の再発防止・未然防止を目的として、現場で発生した事故、ヒヤリ・ハット等の情報を収集・活用し、対策を講じることができます。

ハインリッヒの法則では、1件の重大な事故・災害の背後には29の軽微な事故があり、その背景には「ヒヤリ」としたり「ハット」したりするような300の出来事が存在するといわれています。

大事故は、偶発的に起こるものではありません。日常の「ヒヤリとする体験」や「ハッとする出来事」は、いずれ大きな事故につながる前兆であることを理解し、このような体験や出来事があった場合はそのままにせず、何らかの対策を講じておく必要があります。

また、日頃からヒヤリ・ハット事例を記録し、事例を出し合い共有することもリスクマネジメントの観点からは大切なことです。

作業者が、現場の安全を確保するためには、どのような事故が発生しているかを知ることが大切で継続的に情報収集することが重要です。

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事故の状況

作業は4名 (A:主任技術者, B:保守員, C,D: 補助員)で行い,当初の作業手順は次のようであった. 

(9時 05分)

①受電用遮断器

②受電用断路器 (DS)を開放する.

③検電の後,作業用保安接地線を取付ける.

④第 1受変電所の清掃を開始する.第 3受変電所(イ)および(口)の気中開閉器 開放し,作業開始する.

⑤清掃完了.第 3受変電所(イ)および(口) の安全確認後, PAS を 閉 と す る

(9時 50分)

⑥高圧絶縁測定の 実施.

⑦受電用断路器 (DS) および受電用遮断器(OCB) を閉とする.

⑧第 3受変電所(イ)および(口)への分岐油入開閉器 (POS)および油入遮断器 (OCB)を閉 とする.

(10 時 0 0 分 ~11 時 0 0 分)

⑨地絡継電器 (GR), 過電流継電器 (OCR)の試験実施(工事業者に委託)

(1時 20分)

⑩第4受変電所の清掃 上記のような作業手順に基づき, 9時05分より作業を実施した清掃が予定より遅れてきた ので,⑨の作業 (10時より 1時間の予定)も順 次遅れるため,手順を変更して,⑥の高圧絶縁 測 定 を ⑨ の 後 に す る こ と と し た 10 時 00 分, 5 の 第 1 受 変 電 所 の 消 掃 (A. B, C 3 名 実 施) が 完 了 . 第 3受 変 電 所 ( 工 場 6階 の 屋 外 に 設 置)で作業中の補助員 (D)の所へ,作業を中止させ,安全を確認してくるように保守員 (B)を 連絡に出した.

そ の 間 第 1受変電所でば清掃用具や工具の 整理をして,再度用具類の置き忘れや異常がな い か を A, C 2 名 で 確 認 を し た . A は 受 電 盤 断路器側より配電盤の方に, Cは逆に通路側より受電盤の方向に確認したその間に, Bより 第3受変電所の安全を確認したとの連絡が社内 電話であった

10時10分, Aが受電用断路器の1相を投入 した小さいスパーク(作業灯による光の反射 くらいの光)を感じた音は外部の道路上からの騒音で不明であった.すぐ断路器を開放して, 刃(ブレード)を点検,異常は認められなかった。今度は作業灯を消して再度断路器の投入をした。小さいスパークがありその時白い接地線を発見した。即、断路器を開放し、検電後作業用保安接地線を取り除いた。

事故の原因

清掃の遅れから、あらためて受電する際に当初予定の手順を変更し、高圧絶縁測定をせずに受電用断路器の操作をしたことが、今回の事故につながった。

事故再発の防止対策

①作業手順は途中で変更しないこと。また作業計画には、時間の余裕を持たせ若干の作業の遅れなどから作業手順の変更を迫られないようにする。

②受電という重大な作業をする際には、その前に必ず絶縁測定を行うこととする。

③作業用保安接地には、取り付けたことが容易に確認できるよう表示等をつけておくこと。

まとめ

作業者が現場で発生した事故情報、ヒヤリ・ハット情報を適切に収集し、組織的に事故防止のための対策を推進した場合、事故件数の減少や利用者からの信頼・評判の向上の効果が期待できます。

使用する設備・工具については、正しい使用方法と内在する危険性について理解させ、事故が起きないよう常に注意して使用するよう情報を共有しましょう。

働く人の安全を守るために有用な情報を掲載し、職場の安全活動を応援します。

働く人、家族、企業が元気になる現場を創りましょう。

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